自転車で見つける景色

ロードバイクのことやカナダ生活のこと。

真のシーズンオープナーはあの橋で

前回のエントリーで「いよいよ、チャリシーズン到来」と書きましたが、

その翌日には冬へと戻り、まさかの積雪と低気温の日が続いた週になってしまいました...なんてこった orz

 

だがしかーし!

この土曜日(17日)は、真のシーズンオープナーと呼ぶに相応しいライドができたのですよ!

 

日中最高気温21℃、快晴、ほぼ無風。

 

かねてより約束していた、夫の叔父さんとのサイクリングする日が来ました。

 

余談ですが、叔父さんはワーキングカウボーイで、サドルに跨るのはお手のもの。昔からMTBやロードにも乗っていましたが、年齢的に厳しくなってきたヒルクライムを含む長距離サイクリングを楽しみたいと、1ヵ月ほど前にE-MTBを購入したのです。

 

カナダでは今、スポーツバイク市場が熱くて、ほぼ入手困難なのは先のエントリー(  待っているの )でお伝えしました。E-MTBは特に顕著なのに輪をかけて、身長約198㎝の叔父さんのフレームサイズはXL。平常時でも要注文であるそれが、「たった今、本店でキャンセルなったものが出たそうだけど、どうする?」と相談に行ったサイクルショップでまさかの運命が!はい、即決。お買い上げ。

 

更に余談ですが、こちらでは叔父さんのようなカウボーイを生業とする人と、スポーツ

とする人がいます。スポーツは、ロデオをはじめ様々な馬術のスキルを競うものです。

 

前置きが長くなりましたが、私と夫はグラベルロードで伝説の橋へと向かいます!

 

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歴史を動かした橋「Rudy Johnson Bridge」

 

Soda Creek Roadは途中からグラベル道のBuckskin Roadになり、フレーザー川(Fraser River)へと下ります。この勾配は4~11%で何せタイヤの横滑りが厄介で、路面を読むのも追い付かず...MTBに慣れた夫にはお手の物でも、グラベルロード初心者には手強い約4kmの下りでした。帰りに待ち受けるヒルクライムを考えるのは、一先ず頭の片隅に(笑)

 

 

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功績を称える記念碑があります

 

ルディ・ジョンソン(Rudy Johnson)は、不可能を可能にした人物です。

1960年代、フレーザー川に隔たれたふたつのコミュニティーをつなぐ橋を私財を投じて建設しました。当時は、遠く離れた橋かフェリー(大型渡し舟)を利用する以外に川を越える手段がなく、生活だけでなく産業にも不便だったそうです。

当時の政府は、地域の人々が望むこの場所に橋を架けることは技術的に不可能だとし、嘆願書は却下。そこでルディ・ジョンソンによる、「カナダ最大の日曜大工プロジェクト(Canada’s biggest do-it-yourself project)」が始まったのです。

彼は橋の建設とは無縁な牧場主でしたが、調査と交渉を重ね、アラスカから3,000フィートの鉄橋を購入、分解して鉄道でこの地まで運びました。橋は当時の金額で40,000カナダドル(現在の価値に換算すると、約$354,800=約30,852,300円)だったそうですから、運送費や建設費、その他諸々の費用を考えると莫大なプロジェクトだったことが伺えますね。

この橋は有料(当然でしょう)でしたが、それでも産業トラックにとっては時間だけでなく燃料費の大幅な節約になったとか。※現在は政府の管理(所有)となっており、通行料なるものはありません。

 

詳しくは、以下の記事をご覧ください。

archive.macleans.ca

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橋の向かい側の丘を上ると、ジョンソン家の牧場があります。

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現在でも一家が牧場を営んでいます。フェンスの内側には行かれません。

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奥に写っているのが、夫の叔父さん(サドルが私の胸の高さだという...)

 

橋を渡って、ジョンソン牧場とは反対側の坂(4~11%)を約3km上れば、急勾配はなくなり、再び景色が牧場へ。

 

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このあたりは主に畜産が行われています。牛を中心に豚やバッファローも。

 

今回のライドは往復約52km。ロードバイクでは行かれない場所の景色が見られて、他愛もない会話をしながらも楽しく、叔父さんもまた一緒に行きたいと言ってくれました。

加えて、手強い坂を攻略する意欲も湧いてきて、グラベルロードやばいです。ワクワクしますよ!

 

 

     

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